映画「でっちあげ」を観てきた。
この原作のドキュメンタリーは10何年かくらい前に原作の文庫が出て、すぐに読んで非常に興味深かった事を記憶しています。
原作は「でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相」 新潮文庫

また、この、主人公教師のニュースは、2003年の事件で、リアルタイムで観ていました。
そのニュースを観て、私はこんな事する教師もいるのかな、と言う程度の感想しか持ちませんでした。
が結構新聞一面かなにかに、センセーショナルに報じられた記憶があります。
なので、でっちあげの原作を読んだときは、初めて真実を知り、信じられない思い、モンスターペアレントの恐ろしさを感じました。
その時も、ニュースでは「この先生はやっていませんでした。親子のうそでした」でおわりだったと記憶しています。特に先生への謝罪などはなかったように思います。
モンスターペアレントとは、言われて久しいが、この母親、嘘で、ここまでやる人が、いるのかと思いました。自分の子かわいさにやっているのか、逆に疑わしい。
自分の子がかわいいというのはどういうことか。
将来のために自分の子供が間違った方向に行かないように教えることではないか。
なぜ、自分の子が嘘を言っているかも、とは、少しでも思わなかったのか、
なんでも人のせいにする子になっていいのか。
この母親は、自分のプライドが一番なのではないか。本当に子供のことを思っているのか。と疑問をもちました。
やはり自分のことが一番だったのではないか。

でっちあげをみると教師になるのは、恐ろしいと思ってしまう。教師を目指しているかたもぜひこれを観てほしいと思います。そしてこういう母親に屈しない気丈さで立ち向かってほしいと思います。周りの方も決して噂だけで判断してほしくないと思います。
主人公教師は必死で、弁護士を探し周り、たまたま引き受けてくれる弁護士が現れたからいいものの、運悪ければ、見つけられなかったかもしれない。
そう思うと、逆に主人公の強運を感ぜずにはいられない。
主人公の先生のように弁護士がみつからなかったときのことを思うと、すごい恐怖。
日本では、冤罪についてよくドラマなどの題材に挙げられるが、もしかして冤罪は少なくないと思わざるを得ませんでした。
恐ろしいことです。あってはならないことだと思います。
集団心理といいますか、日本人の特徴とまでは言いたくはないですが、噂を信じて、みんなでぶっつぶす、みたいなことが、多い気がします。
これも何年か前「福田村事件」と言う映画がありましたが、1923年関東大震災のおこった混乱の中、それもまさしく冤罪お話。集団心理で噂になり、間違って大量殺人されると言った実際に千葉県福田村でおこった事件を映画化されたものだったと思います。
映画「福田村事件」
キャスト
井浦新、田中麗奈、永山瑛太、東出昌大、柄本明ほか
脚本 佐伯俊道
監督 森達也

勝ち馬に乗るじゃないですが、噂を信じてしまい、人を疎外する、などの集団心理は、間違いを産みやすく、
まず、相手の立場に立ってみる、という想像力が必要だと思います。
こういった噂が流れても、ほんとにそうなのかな?という視点を持つことも大事かと思います。
被害者側が絶対に正しいとも、100%言えないこともあるかもしれない。
と、こころの片隅に持っておく必要もあるのではないか
そして自分が疑問を持ったら、勇気を出して違うんじゃないのかと、ちゃんと言える世の中だといいですね!
でっちあげ
キャスト 綾野剛、柴崎コウ、亀梨和也、木村文乃、光石研、小林薫ほか
原作 福田ますみ
脚本 森はやし
監督 三池崇史
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