私は白石和彌監督作品が好きです。
監督の作品だとわかると必ず見るようにしています。
監督の作品はとっても面白いのだが、面白いという表現は違って、息つかぬハラハラさと目が離せない次々おこる見どころシーンであふれている。とでもいうほうがいいと思う。エグイ暴力シーンが多いので好き嫌いはあると思いますが。
私が観た、白石和彌監督の作品を挙げてみる。
ほとんど映画館で観たものだけれど、プライムで観たものもある。
一番初めに見たのが「凶悪」。ここから白石和彌監督ファンなのだ。
ここに私が観た白石和彌監督作品の映画をかんたんにまとめてみた。
監督作品はまだほかにもあるが、追々観ていこうと思う。
1.凶悪 2013年公開
山田孝之主演。
キャスト:ピエール瀧、リリー・フランキー
山田孝之は事件を追うジャーナリスト役。話はノンフィクションで、私は小説の原作のほうを読んでいて、面白かったので、映画化されたこの作品をみようとおもったのが最初。 原作にあったような殺人事件の怖さが忠実に映像で再現されており、すごいと思ったのだ。先生とよばれる人物の周りで、保険金を目当てに一般人が殺されたり、土地持ちの年寄りが殺されたり、次々と行われる殺人。しかも殺し方が、血も涙もない。狂気を感じる。その殺し方が再現されたシーンが見どころともいえる。怖すぎる。

2.死刑にいたる病 2022年公開
阿部サダヲ主演。
キャスト:水上恒司、中山美穂、岩田剛典
これも24人もいたぶり殺した殺人鬼から獄中から手紙をもらい、最後の犯行は自分ではない、えん罪だと告白されるというところから始まり、その事件をある学生が追っていくというお話です。表の顔はパン屋を営んでおり、人のいい面しか見せない。そして好みのターゲットに近づくという実際に海外のどこかであったようなお話。被害者をいたぶって殺すシーンは怖すぎて、観ていません。中山美穂の出演シーンがないと重すぎる映画でした。そこも内容は重いのですが、まだましです。原作も読みましたが、この話はあまり好きではありません。終始、変な空気の漂った作品でした。

3.碁盤斬り 2024年公開
草彅剛主演。
キャスト:清原果耶、中川大志、國村隼人、小泉今日子、市村正親、斎藤工
これも草彅君の演技に感服。あらぬ罪を着せられ、また仇討のために家を出て、その人物を探して旅してという話。草彅君の演技が素晴らしかった。娘役の清原果耶ちゃんも色気がありよかった。草彅君演じる柳田の心意気もかっこよかったが、心意気のある人物たちが、かっこいいセリフを吐き、各所にちりばめられており、気持ちがスッとした。そこが見どころ。

4.孤狼の血 2018年公開
役所広司主演。
キャスト:松阪桃李、江口洋介、真木よう子
広島県警から配属の新米刑事と呉原署のベテラン刑事とのコンビで繰り広げられるヤクザと刑事との闘い。息つかせぬ展開。役所広司の演技に引き込まれる。そのため観終わって現実に戻った時、ホッとする。

5.孤狼の血 LEVEL2 2021年公開
松坂桃李主演。
キャスト:鈴木亮平、村上虹郎、西野七瀬、筧美和子、滝藤賢一、宇梶剛士、中村梅雀、寺島進
上林が出所してきたことで、広島のヤクザの組同士の闘い勃発。上林演じる鈴木良平が怖すぎて直視しがたかった。早く死んでくれと思いました。鈴木亮平はいい人キャラを演じる人だと思っていたのだが、これを観てそんなことないと実感しました。鈴木亮平の耳が尖っていて怖い。村上虹郎、西野七瀬演じる兄弟のシーンが少しホッとするシーン。その他は息つかせぬほどの怖いシーンが次々現れ、最初から最後までずっとハラハラし通しでした。前作の「弧狼の血」を超えるエグさ。

6.日本で一番悪い奴ら 2016年公開
綾野剛主演。
キャスト:中村獅童、青木崇高、ピエール瀧
北海道警の刑事が検挙数を上げるためにと、裏社会に入り込み、悪事に手を染めていく話。ホントにあった話を参考に作られています。こんなことがまかりとおる時代があったのか。暴力、喫煙、肌の露出、飲酒、薬物使用でR15指定になっています。まだパソコンもない手書き書類の昭和の時代のヤクザと紙一重のような北海道警の話。ホントに悪いシーンしか出てきません。まだ悪に染まっていない綾野剛演じる主人公が、だんだん変わっていく姿が見ものです。そして最後の綾野剛演じる主人公のセリフで、なにもわかってないんだー。悪い意味で純粋すぎるというか、馬鹿すぎるというか。という気持ちになります。

7.ひとよ 2019年公開
田中裕子主演。
キャスト:佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優、大悟、MEGUMI、佐々木蔵乃介
子供たちに暴力をふるう父親を殺害し、刑務所に入った母親が15年ぶりに帰ってきてというお話。母親のせいで、その後の人生のほうが、父親の暴力を振るわれていた時より悲惨だったと子供たちは言うが。果たしてそうか。いつまでも自分がうまくいかないことを人のせいにしていないのか。自暴自棄になっているのではないのか。果たして社会は受け入れるのか。

順番は、観た順番とは関係ないし、公開された年とも関係ない。
ここからは、「彼女がその名を知らない鳥たち」を観て思ったことを書く。
まずは この作品は2017年公開。
主演は蒼井優。山ちゃんと結婚しました。素敵な人です。
キャスト:阿部サダヲ、松坂桃李、竹野内豊
ほんとに阿部サダヲと蒼井優の演技がすごかった。
脇役の松坂桃李と竹野内豊も、とても良くて演技に引き込まれ、この世界に入り込み、おもしろい映画だった。
いい作品を観るといつも俳優陣にも関心をしてしまう。すばらしいと思います。
イケメンだけど、十和子をいいように利用している男たちと、十和子と暮らす佐野陣治が対象的過ぎて、ずっと陣治に嫌悪感すら抱く。演技が皆さん素晴らしい。またイケメンたちも後半にすすむにつれて、くそ野郎ぶりがエスカレートし、イラっとする。十和子と暮らす佐野陣治と、松岡桃李演じる時計売り場のイケメン、また元恋人役演じる竹野内豊のどちら側にも嫌悪感を抱いたままクライマックスへと投入する。
難しいことはわからないけれど、監督作品は、悲惨すぎることが次々起こるけれど、ほっと救われる場面がどこかにある。と思う。そうでなければやってられないほど悲惨なシーンであふれかえっている。
十和子は男運が悪く、いつも騙されてばかりで、もう、馬鹿なんじゃないの?と思ってしまうけど、一途ならそうなる人がいるのも仕方ないもの。だけど都合のいい女すぎる。相手の気持ちを一分も疑ってかからないのか。そこがイライラハラハラさせられるところ。この十和子のキャラが、この作品のおもしろいところであるが。
十和子は、イケメンの男たちからは、都合よくいいようにされていたけど、好きでもない人から好かれて、十和子も陣治のことを、都合よく使っていたので、結局自分も同じことしてるんだよね。ただのヤな女だよ。
自分の好きな人から、自分が好かれるのかは、保証されない。
また逆に、自分が嫌悪を抱くような人から、自分が好かれてしまい、ということもある。
あふれかえっている、うまくいかない恋愛事情である。それがエスカレートすると、ストーカー行為にもなるのだ。
昔、愛情だけが形で見えて、人間の姿かたちは見えなければいいのに、と言っていた友達がいた。
愛情というものが形になって見えれば誰にも負けないのに、と言っていた。
そうであれば、外見に惑わされることもなく、自分の愛情の度合いも相手にわかり、恋愛も成就する可能性も高いということなのか。
私が小学生の時の友達なので、彼女は、ませていたのではないかと思う。いや、ませるなんて何十年ぶりに使ったことか。化粧したり、大人びた服をきたりする、大人のふりする、ませ方ではなく、ほんとうに人としてませていたのだろう。
その子は、お姉さんがいて、少女まんがの好きな子だったので、その影響だったとは思うが、この映画を観て、ふっと、その子の言っていたことを何十年ぶりかに思い出したのだった。もう40年以上も前のそんな友達の言葉を急に今思い出したのだ。私は、その当時は、その子の言葉のことは、あまりよくわかっていなかったと思う。
でも覚えていたということは、その子の言葉が、当時なにか心には残ったのだろう。
その子とは、学校帰りだったか放課後に、もう一人よく遊んだ子がいて、よく3人でその子の家に行って遊んでいて、山盛りの将棋の駒から、駒を1個ずつ音を立てずに取っていくゲームをよくやって遊んでいた。あと、その子はゴム縄跳びが得意だったっけ。
いま、どうしているのか、会いたいな。会ってあれからどんなふうに生きてきたのか聞いてみたい。なんかマツコみたいにご意見番みたいになっていたりして。でも、どうか、しあわせに暮らしていてほしいと思ったのでした。



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